◆作者：遠山雲如◆作品：七言律詩四行書◆材質：紙本墨書(真筆作品)◆款記：「陟晃山始謁 ■[※門構えに必]宮恭賦 雲如山人澹」◆印章：「權又山閣主」白文方印 「遠山澹」白文方印 「■焚研」朱文単郭長方印◆内容：「■[※赤に頁]廊碧殿仰神蹤四面峰巒拱立同/造築何須阿育力彫鐫應假魯般工祭/[儀]顕赫[勞]皇胤侍列幽冥付鬼雄別有/群僚連廨舎朝衫來往白雲中」(※出典 安政3年[1856]刊『晃山游草』「始拝謁晃山■[※門構えに必]宮恭賦四韵」)◆寸法：本紙121.0×52.9cm 総丈184.9×64.7cm◆付属品：無し(箱ありません)◆状態：本紙欠損箇所あり。シミ汚れ箇所あり。折れ皺箇所あり。
【遠山雲如(とうやま・うんじょ)】文化7年～文久3年(1810－63)越中出身の町人・小倉大輔の三男として江戸に生まれる。諱・有孚のち澹、字・子發のち雲如、通称・春平、号・裕斎。故あって母方である遠山の姓を冒す。少くして大窪詩仏や菊池五山に詩を学んで神童と称され、17歳で詩集『寰内奇詠』を編んで詩名を高めた。漂泊の癖があって修験者となり金華山や葛城山など諸国を巡ったのち、江戸に戻って長野豊山の私塾で儒学を修める。神田お玉ヶ池に「玉池吟社」を結んでいた梁川星巌と交遊し大沼枕山・小野湖山・鱸松塘らと親しんだ。江戸幕府の蔵役人をつとめていたが、家産を蕩尽し官を辞して各地を転々としながら詩を教えて生活する。安政4年(1857)師の星厳を頼って上洛するが翌年に死別、その後も諸国を遊歴し京都で客死。永井荷風(1879－1959)は急速に失われゆく江戸風物を知るよすがを雲如の『墨水四時雑詠』(嘉永3年刊)などに認め、雲如を「生涯家なく山水の間に放吟し」た遊歴の詩人・柏木如亭(1763－1819)にかさね『下谷叢話』にその事績を記した。
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